まえがき
Roland社から出ているRoland Cloudという同社過去製品をソフト化したものなどを利用できるクラウドサービスがあるのですが、その中にZenologyという音源があります。 過去のRoland製音源のPCMを利用しパッチ作成が可能な音源であり、作成したプリセットをRolandのZenコア搭載キーボードに読み込むことが可能らしいです。
このVSTiを用いて、Edirol製音源であるStudioCanvas SD-90(SD-80)を再現しようとしました。
調べても他にユーザープリセット公開した事例が出てこないんですが、下手したら世界初のユーザープリセット公開になるんでしょうかこれ。もうZenology出てから大分経ってるんですけど…
必要なもの
最低でも以下の導入が必須です。
- Roland Cloud Zenology Pro(ライフタイムキー版も可)
- Zenology用EXZ全種
多分導入する必要のないEXZがありますが、どれを何に使ったか覚えてないので全部入れておいてください。
以下のパッチをダウンロードし、適当な所に解凍してください。
導入方法
ZenologyのGUI上で以下画像にもあるWRITEをクリックしてTone/Drum Kit Managerを開きます。
Importをクリックし、先ほど適当な場所に解凍したStudioCanvas_Presets_for_Zenology_Proの中にある、拡張子がbinファイルとなっている8つのファイルを読み込みます。
パッチのBINファイル読み込み時は複数選択による一括読み込みが可能です。
あとは自由に弄り倒してください。
XML for SRX SD-20 MODについて
以下のRoland Cloud SRXシリーズVST用SD-20 MODを導入した環境用のXMLファイルです。
エディット画面の波形表示名をStudioCanvas用に変更します。SRX KEYBOARD以外ではテストしていません。
今回公開したパッチはこのMODから手作業でパラメーター移植したものになります。
あとがき
ぶっちゃけた話、SD-20 MODのほうが出来がいいです。
というのも、以下によればどうやらSDシリーズ自体は内部的には波形差し替えたXV5080みたいなものらしく、設定まんま引っ張ったであろうこのMODならそれなりに再現できているっぽいからです。(SD-20と言いながらも実質80対応)
Zenologyだとエンベロープの効果曲線もフィルタ回りも、実質互換性は無いに等しいもの(シンセ音色だと分かりやすい)だし、ドラムはPiccolo SNという致命的な抜けがあって再現度は壊滅的です。
多分XV5080と各種SRXで組んだほうが、このプリセット集よりいくらかマシです。
ただ、MODのほうは普通に真っ黒で大っぴらに使えるような代物ではないし、 各種VSTで再現するとなると確実にどれで何作ったか分からなくなるため、今回Zenologyへの移植に踏み切りました。
無料公開するならパッチの改変は自由に行って頂いてかまいませんので、もっと良いの作れるぞという方がいらっしゃいましたらぜひ挑戦してみてください。 私は単純移植だけでもう心が折れました。
まあ普通に公式がVST化して売れば一瞬で終わる話なんですけどねこれ。
SD独自波形の中に権利関係で使用できないものでもあるんだろうか…?


